警戒区域:
市町村が、測量費用をかけてハザードマップ作成、避難場所確保、避難情報・経路周知徹底等の整備をしないといけない
強制的な指示命令・権限は無い 宅建業の告知義務が有る
特別警戒区域:
①宅建業の告知義務及び新規の開発行為での広告、契約の制限
②新築の建築物の構造規制
③新たな宅地造成の許可制
④建築物の移転勧告
強制力の有る指示命令が一部可能(財産権の問題もあり、既存建物には強制はできない)
今回広島で大規模な被害があったエリアのほとんどが警戒区域に指定されていなかったって報道が多いですが
警戒区域に指定するにも測量代で1ヶ所20万から40万かかるそうです
広島の場合約32,000ヶ所危険箇所に指定されており、現在約12,000ヶ所が警戒区域に指定されてるようですが
残り20,000ヶ所を仮に全部20万で測量するとして40億円 40万だと80億円かかります
その上で、ハザードマップの作成費用・印刷・配送費用 避難場所の確保にあたり改装したり備蓄品の費用
避難情報の周知のための放送器具などが必要ならその費用 普段のメンテナンスにもお金がかかるでしょう
平時では、他にもすべきことがたくさん有る中でこれだけの費用をかけて指定しても住民に財産価値が下がると
喜ばれない可能性が高い警戒区域指定はすすんでいなかったでしょうが、これだけの被害が出た後は
優先してすすめられるでしょう→代わりに何かの予算が減ってしまうのでしょうから
事業の見直し・仕分けは、役所任せ・議員任せではなく第3者の目で必要だと思われます
で
特別警戒区域に指定されると、警戒区域でしないといけない事柄と別に、
①売り買い、賃借する際に宅建業で告知義務及び新規の開発行為での広告、契約の制限
(警戒区域でも告知義務は有ります)
ですが、警戒区域に指定されている・されていないに◯するだけですので、重要事項説明で充分説明してもらえないと
「聞いたのかもしれないが特に説明もなかったので警戒区域の意味は全く分からない」ということになりかねません
未だに適当な業者も多いです が、ちゃんとした方もいるので不動産業者の選定は重要です
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②新築の建物の構造規制
(例) |
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・基礎と一体の控え壁を有する鉄筋コンクリート造の壁
・崩壊土砂の衝撃を受ける高さ以下にある構造耐力上主要な部分は,鉄筋コンクリート造とすること
・急傾斜地に面する外壁は,崩壊土砂の衝撃を受ける高さ以下の部分を鉄筋コンクリート造の耐力壁
・急傾斜地と建築物の間の位置に鉄筋コンクリート造のへい(崩壊土砂を受け止める高さ以上のものに限る。)
を設置する場合その他国土交通大臣が定める安全上適切な措置を講ずる場合はこの限りでない。
要するに
・建物本体を上記1,2,3の項目に適合した仕様にするか
・4に書いてある、鉄筋コンクリートの塀をがけと家の間に指導された高さで建てれば、OKにはなります
が、場所によっては100KN(キロニュートン)10t以上の土圧に耐えることが出来る塀を指導されますので
コストもかかるし、役所の言うとおりにしたら100%安全とも限らない訳ですし
特別警戒区域に新規で家を建てるのはやめたほうがいいのではないでしょうか
こういう事態を受けると、アイデザインホームでは工事はお請けできかねます
③新たな宅地造成の許可制
こういう所の土地は買うのはもうやめたほうがいいでしょう
広島においては、特別警戒区域での新規の宅地開発はなくなるのではないでしょうか
需要と供給ですが需要が全くなくなると思われます
④建築物の移転勧告
移転を勧告は出来ますが、移転しないからといって強制力はありません
費用は、自己負担です
ただし
・住宅支援機構から26年8月現在で1.64%の金利で融資が受けられます
ちなみに土砂災害からの復興の場合、1.18%の融資となっています
・移転に際し補助金が受けられます
(額は一般住宅の場合最大700万円台となるはずですが、非常に計算式がわかりづらいです・・・)
もうすでに住んでる人、これから指定される人に対する対応が非常に悩ましいですね
この制度では、移転できる人は非常に限られるでしょうし
とはいえ何かあったら結果責任で行政は批判されるし、対応に人手も費用もかかるでしょうから
一斉に移転してもらえればいいのでしょうが、何か災害が起きる度に国や自治体が費用見るようなことをしたら
お金も持たないでしょうし、過去の大震災ではしなかったと批判され過去にさかのぼって・・・なんて
出来ないでしょうし
公平・公正にっていうのは非常に難しいです
自分に出来る事をまず実行し
住宅の建築に携わるものとして想定外を減らしていけたらと思います
アイデザインホーム 安藤