
家づくりを考えるとき、「子ども部屋は6帖を2部屋」「兄弟が増えるかもしれないから余裕を見ておきたい」など、小さなお子さまとの生活を前提に間取りをイメージするご家族は多くいらっしゃいます。けれども、将来の暮らしをもっと長い目で見たとき、
- 思春期の子どもが使いやすい部屋になっているか
- 子どもが巣立ったあと、使い道がなくなっていないか
という視点まで含めて考えておくことは、意外と見落とされがちです。今回は、“いま”と“10年後以降”をつなぐ視点で、子どもの成長に合わせて柔軟に暮らせる間取りの考え方をご紹介します。
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目次
- 1. 仕切る?仕切らない? 子ども部屋の悩みどころ
- 2. 「ちょうどいい広さ」より、“ちょうどいい使い方”を
- 3. ちゃんと使える学習スペースを考える
- 4. 巣立ち後に“持て余さない”間取りとは
- 5. 間取りに迷ったときの考え方
1. 仕切る?仕切らない? 子ども部屋の悩みどころ
「将来仕切れるようにする」のは、いまや多くの家庭が意識している基本方針です。ただ実際の家づくりでは、「仕切る?仕切らない?」の判断に迷うご家族がとても多くいらっしゃいます。たとえば、
- 性別が違うから、最初から仕切ったほうがいい?
- 今はひとつの部屋でいいけど、将来の関係性次第では別々の空間が必要になりそう
- 三人きょうだいになったら?全員に個室は必要?

こうした悩みに対して私たちが大切にしているのは、「仕切る」こと自体が目的ではなく、暮らし方の変化に合わせて選択肢が残せるようにすることです。たとえば、
- 1人1部屋にも、2人1部屋にも柔軟に対応できる設計
- 収納を中央に配置してゆるやかに空間を分ける
- 開口部や窓の向きなど、気配がつながる・切れる工夫を盛り込む
こうした「柔らかく変えられる」前提の設計が、きょうだいそれぞれの快適さにつながっていきます。
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2. 「ちょうどいい広さ」より、“ちょうどいい使い方”を

子ども部屋を考えるとき、つい「広さ」だけで判断してしまいがちですが、大切なのは「何にどう使うか」という視点です。たとえば、小学生の間は部屋ではほとんど寝るだけで、宿題や遊びはリビング中心というご家庭も多いでしょう。そう考えると、
- 着替え・寝る・荷物をしまうだけのコンパクトな個室
- 宿題や遊びは別の共有スペースで
- 一人になりたいときは、気配が届きにくい静かな場所に
というように、「広さ=快適さ」ではない選択肢も見えてきます。間取りを考えるときには、数字の広さだけでなく「どう使うか」「どこで過ごすか」をベースにすることで、家族らしい暮らし方が見えてきます。
3. ちゃんと使える学習スペースを考える
「リビングで学習できるように、カウンターをつけたい」とご相談をいただくことが多くあります。ただし、設計次第では「結局使わなかった」「物置になってしまった」という声も少なくありません。このような失敗を防ぐには、「とりあえず設ける」のではなく、“ちゃんと使える”ように設計することが大切です。
- 奥行きは60cm程度が理想。45cmではノートや教科書を広げるのに不十分なことも
- ダイニング横の配置が多いため、家事動線と干渉しない計画を
- コンセントも必須。そこで何を使うか想定して、最初から設計に組み込む

また、固定のカウンターにこだわらず、リビングや和室、広いスペースがあれば2階のホールなどでも、家族共有の空間にテーブルが置ける“余白”を用意しておくのもおすすめです。お子さまによって集中できる場所は違います。家のどこにいても学べる環境を整えておけば、成長しても柔軟に対応できます。
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4. 巣立ち後に“持て余さない”間取りとは

子どもが独立したあと、「子ども部屋が余ってしまって、使い道に困る」という声をよく耳にします。実際、空いた部屋が物置になっていたり、掃除の手間だけが増えたりと、ちょっとした「使わないストレス」になるケースもあるのです。こうした事態を避けるためには、
- 趣味部屋やワークスペースへの転用を見越した設計
- 家族の共有空間にゆるやかにつながる配置
- インテリアも“多目的”に使える雰囲気に
“子どものための空間”が、家族の時間を終えたあとも活きるように。暮らしの変化を前提に、設計の段階から考えておくことが大切です。
5. 間取りに迷ったときの考え方

「今の暮らし」に合わせた間取りは、もちろん大切です。でも、それだけでは数年後に「なんだか使いづらい」と感じる場面が出てくるかもしれません。だからこそ、わたしたちはこう考えています。
- 将来必要になるかもしれない空間や使い方に、あらかじめ対応できるようにしておく
- “完成形”より、“変化に強い余白”を意識しておく
間取りの正解は、ご家族ごとに違います。「これから先、どんな暮らしをしていきたいか?」を一緒に整理することが、家づくりのスタートです。
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