片付けられないのは、“収納が足りないから”じゃない?
子どもが成長するにつれて、おもちゃや学用品、衣類など家の中のモノはどんどん増えていきます。「収納が足りないから片付かないんだ」と思って、棚や収納家具を買い足していませんか?

けれど実は、収納スペースを増やすだけでは、根本的な解決にはならないことも多いのです。
今回のコラムでは、注文住宅を建てる私たちが考える、“片付けやすい家”をつくる収納戦略をご紹介します。家族みんなが使いやすくて、片付けがラクになる。そんな工夫を、家づくりの段階から取り入れていきませんか?
収納戦略3選|目次
“集約型収納”で、家中に散らかるモノを1か所に
たとえば、文房具・書類・工具・救急箱など、家族みんなで使うモノって意外と多いもの。それらが各部屋にバラバラにあると、「どこに片付けた?」「使ったまま出しっぱなし」といった小さなストレスが積み重なります。
そこでおすすめなのが、家族共用アイテムを1か所にまとめる“集約型収納”です。リビングや廊下に大容量の収納スペースを設けて、そこに“家庭内の文房具店”や“暮らしのストック置き場”のように配置すると、探しやすく、片付けやすくなるのです。

私たちは、「家の中心に、みんなのための収納」を設計に取り入れるようにしています。使う場所に近いというだけでなく、家族でモノを共有する“仕組み”を家のつくりで支えることが大切だと考えています。
“通路収納”で、ただの通り道を収納に
家の中には、意外と“使われていない空間”があります。たとえば、廊下や玄関ホール、階段下など。これらをただの通路として使うのではなく、収納として活用することで、家の使い勝手が大きく変わるのです。
- 廊下にリネン収納をつくる
- 階段下に掃除道具や防災グッズをしまう
- 玄関ホールの一角にコート掛けと手荷物収納をつくる
こういった工夫を組み込むことで、生活動線を妨げずに収納量を確保できます。私たちは、プランニングの際に「収納があるからこそ整う通路」を提案しています。

設計段階でこうしたアイデアを取り入れることで、家の“無駄な空間”を“便利な空間”に変えることができるのです。
“見せる収納・隠す収納”で、整った空間をキープ

「全部隠す収納が好き」「いや、飾るのも楽しみたい」——人によって収納の好みはさまざまです。
けれど私たちは、“見せる収納”と“隠す収納”をゾーニング(使い分け)することをおすすめしています。たとえば、
- お気に入りの雑貨や本は飾って楽しむ“見せる収納”
- 日用品や生活感のあるものはスッキリしまえる“隠す収納”
このバランスをうまくとることで、“生活感”と“心地よさ”のちょうどいい空間が生まれます。すべてをしまい込もうとせず、“整って見える仕組み”を家そのものに組み込むことが大切だと考えています。
収納が整うと、暮らしのゆとりが生まれる

収納が“ある”だけでは、片付けはうまくいきません。どこに・誰の・何を・どうしまうか——その戦略が整っていると、暮らしにゆとりが生まれます。
実際にお住まいのお客様からも、
「モノの定位置が決まったから、子どもが自分で片付けるようになった」
「朝の支度がスムーズになって、家族みんなでゆったり朝食をとれるようになった」
といったお声をよくいただきます。
家の中が整うと、時間にも気持ちにも余白が生まれるのです。
この変化こそが、収納設計に力を入れる価値だと私たちは考えています。
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設計時に気をつけたいこと
収納を“後回し”にしない

「なんとなく、ここに棚があればいいかも」
「予算の都合で、収納は最低限に」
家づくりの中で収納を後回しにすると、住み始めてから“足りない”“使いづらい”という後悔につながることもあります。そこで大切なのは、最初から“暮らしの流れ”とセットで収納を考えることです。
- どこで服を脱ぐ?
- 買い物から帰って、何をどこにしまう?
- 子どもがランドセルを置く場所は?
こうした具体的なシーンを思い浮かべながら、設計に収納を組み込んでいくことで、失敗しない家づくりができるのです。
まとめ
収納は“量”より“設計”。家族に合った戦略を

片付けられる家は、収納が多い家ではなく、収納が“使いやすい”家です。そしてその違いは、設計の段階から“収納戦略”を立てているかどうかで決まります。
家族の暮らしにフィットする収納があれば、自然とモノは整い、暮らしに余裕が生まれます。私たちは、そんな「暮らしやすい家」を、一緒に考えていきたいと思っています。
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