最終更新日:2025年10月3日
はじめに
「ZEH(ゼッチ)」という言葉が登場してからしばらく経ちますが、2025年9月に国から正式に発表された新しい定義によって、再び大きな注目を集めています。
その新しい名称は GX ZEH(ジーエックス・ゼッチ)。2027年4月から適用が始まり、家づくりの“新しい常識”となっていきます。
この記事では、GX ZEHの内容、補助制度との関係、そして今後の家づくりで意識すべきポイントをわかりやすく解説します。
目次
- 1. ZEHの基本:3つの柱
- 2. 見直しの背景とスケジュール
- 3. 新名称「GX ZEH」とは?
- 4. GX ZEHの基準(戸建て住宅の場合)
- 5. 必須となる設備:HEMS・蓄電池・EV充電設備
- 6. 補助制度:子育てグリーン住宅支援とDR補助金
- 7. 木造注文住宅とGX ZEHの相性
- 8.今から準備すべきこと
- まとめ
1. ZEHの基本:3つの柱

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、次の3つを組み合わせることで、家庭のエネルギー収支を実質ゼロに近づける住宅です。
- 高断熱化:家そのものの性能でエネルギーを逃さない
- 省エネ設備:エアコン・給湯器・換気・照明などの効率を上げる
- 創エネ:太陽光発電などでエネルギーを自給する
2. 見直しの背景とスケジュール
国は2050年のカーボンニュートラルを目指し、省エネ性能の段階的な引き上げを進めています。
- 2027年4月〜:新基準「GX ZEH」が適用開始
- 2028年3月まで:従来のZEH定義でも新規取得が可能(経過措置)
- 2028年4月以降:すでに取得済みの現行ZEH認定はそのまま有効。2028年3月までに建設された住宅の改修では、現行定義で新規取得も可能
- 2030年以降:新築住宅の平均でZEH水準を達成することを国の目標に設定
3. 新名称「GX ZEH」とは?

新しいZEHは「GX ZEH」と呼ばれ、性能に応じて4つの区分があります。
- GX ZEH+:一次エネルギー消費量がマイナス
- GX ZEH:正味ゼロ〜マイナス
- Nearly GX ZEH:ゼロに近づけた住宅
- GX ZEH Oriented:多雪地域や都市部狭小地などの条件下で建築される住宅
これまで「ZEH」と呼んでいた水準も、今後は「GX ZEH」と表記されることになります。
4. GX ZEHの基準(戸建て住宅の場合)

GX ZEHは、以下の要件を満たす住宅と定義されます。
- 外皮性能:断熱等級6(UA値・ηAC値基準)
- 省エネ性能:再エネを除き、基準一次エネルギーから35%以上削減
- 再エネ導入:太陽光発電などを必ず導入(オンサイト、自家消費+売電を含む)
- 総合削減率(再エネ含む)
- GX ZEH+:115%以上削減
- GX ZEH:100〜115%未満
- Nearly GX ZEH:75〜100%未満
- Oriented:外皮性能・省エネ性能のみ満たせば認定可(再エネ導入は必須ではないが検討説明が必要)
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5. 必須となる設備:HEMS・蓄電池・EV充電設備
GX ZEHには新たに「必須」となる設備があります。
- HEMS(高度エネルギーマネジメント):全戸必須
- 定置用蓄電池:GX ZEH+/GX ZEH/Nearlyでは必須
- EV充電設備(V2H含む):設置義務はないが、将来のために推奨
6. 補助制度:子育てグリーン住宅支援とDR補助金

GX ZEHの推進と合わせて、補助制度も整備されています。
- 子育てグリーン住宅支援事業(GX志向型住宅)
- 対象:全世帯
- 補助額:最大160万円(年度ごとに変動)
- DR(デマンドレスポンス)補助金
- 条件:太陽光発電と蓄電池を同時導入
- 補助額:3.7万円/kWh(上限60万円)
7. 木造注文住宅とGX ZEHの相性
木造住宅は断熱性・調湿性に優れており、GX ZEH基準と相性が良好です。
- 屋根形状を工夫して太陽光を効率よく設置
- 吹抜けや勾配天井でも断熱等級6に対応可能
- 30〜35坪規模でもUA値0.46未満・BEI≦0.65を十分に達成可能
アイデザインホームではGX ZEHに対応できる断熱性能を標準採用し、全棟気密測定を行うことで計画した断熱性能を正しく発揮できる住まいを提供しています。
8. 今から準備すべきこと

2027年の新基準スタートに向け、早めの準備が重要です。
- 設計基準を断熱等級6+BEI≦0.65にシフト
- 太陽光+蓄電池+HEMSの採用を前提にプラン検討
- EV充電設備やV2Hの将来導入も見据えた配線計画
まとめ
GX ZEHの登場によって、「高性能な住宅=補助金も得られる住宅」という新しい時代が本格的に始まります。
これから家を建てるなら、2027年以降を見据えた基準を前提に計画しておくことが安心です。ZEHはもはや一部の人のこだわりではなく、「これからの家づくりのスタンダード」といえるでしょう。
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