広島支店の出合です。
寒い季節に室温が20℃あっても寒いと感じたり、エアコンの温度を上げてもいまいち暖かくならないなといった経験はありませんか?推奨室温として一般的に20℃が提案されることが多いものの、その室温が必ずしも快適と感じるとは限りません。本記事では、推奨室温20℃でも寒いと感じる理由とその対策について解説します。
大事なのは体感温度?
人が暑い寒いと感じるのは室温ではなく、体感温度です。この体感温度は、一般的に(室温+表面温度)÷2で計算されるため、室温と体感温度は必ずしも同じとは限りません。
表面温度とは・・・サーモグラフィで見るような、壁や天井の表面の温度のこと

例えば

室温20℃の部屋にいても表面温度が10℃の場合、体感温度は15℃まで下がってしまいます。右の家のように表面温度も20℃だと体感温度も20℃なので、左の家より快適ですね。つまり寒い時期に快適な室内環境を保つためには、室温だけではなく表面温度を下げない事が大切です。
表面温度を下げないためには?
熱は暖かい所から寒い所に移動します。断熱性能を上げ、室内での温度差を最小限に抑えることで表面温度を下げにくくします。主な対策方法として、窓・屋根・壁・床の断熱強化、気密が挙げられます。
①窓から熱を逃がさないようにしよう
暖房をつけていても、冬に窓の近くにいると寒いと感じる事はありませんか?これは体温が表面温度の低い窓へと奪われているからです。家の中で熱の出入りが最も多いのは窓で、冬は家全体の約6割が窓から熱が流出しています。北海道などの寒冷地で二重窓が多く採用されているのは、これらが理由です。

したがって窓の断熱強化が一番の有効策で、トリプルガラスや樹脂サッシにするとより効果は高まります。しかし窓は比較的コストがかかる項目になります。オーバースペックではないか、コスパも考えながら検討する必要があります。
<今すぐできる対策方法は?>
①カーテン選びの見直し

カーテンを床につく高さにしていますか?床と間が空いていると熱の出入りが起きやすくなります。また保温効果のある厚手の生地やレースカーテンなどを重ねて取り付けると、より冷気が入りにくくなります。
➁窓に気泡緩衝シート(プチプチ)を貼る

梱包などに使う気泡緩衝シートを窓に貼り、空気の層を作ることで室内に冷気が入ってきにくくなります。凹凸のある面を窓側に貼るとより効果的です。窓の表面温度低下の対策として、比較的安価で容易な方法です。
➁屋根からの日射熱を抑えよう
余談ですが、夏を快適に過ごす対策として、屋根の断熱を紹介します。屋根・壁・床において一番日射熱を受けるのは屋根で、日射角度の高い夏はより屋根に日が当たり熱が室内に入ってくるため、屋根の面積を少なくする必要があります。

Q. 同じ延床面積の平屋と二階建てではどちらの方が屋根面積が少ないでしょうか?
A. 正解は二階建てです。左のような総二階にすると、屋根面積が平屋建ての半分で済みます。屋根から受ける日射熱を半分に抑えられるだけでなく、断熱材もその分抑えられるので、コスパ良く高断熱な家を作ることができます。

屋根面積をなるべく少なくした上で、夏の暑さを抑えるには屋根の断熱強化も大切です。アイデザインホームの断熱等級6仕様の家は、屋根断熱厚を270mmと壁の3倍程度の厚みにしています。屋根にたっぷり断熱材を吹き付けているのが写真でも分かりますね。これは先程ご説明した、壁より屋根の方が日射熱を受けるため、このような断熱仕様となっています。このくらい屋根の断熱強化をすれば、夏にじわじわと屋根から熱が入りにくく快適な住空間が保てます。
③壁から熱を逃がさないようにしよう
冬を快適に過ごすには、室内の暖かい空気が外の冷たい空気に逃げにくいよう、外皮面積(壁・屋根の面積)を少なくする必要があります。

Q. 同じ延べ床面積で比較した時、左のような四角形の家と右のような凹凸のある家では、どちらの方が壁の面積が少ないでしょうか?
A. 左のような四角形の家の方が少ないです。左と右は同じ25マスで構成されていますが、右の方が黄色の分壁の面積が増えています。できるだけシンプルかつ正方形に近づけると、壁の面積が少なく済みます。壁の面積が少ないということは、外に奪われる熱も少なく済み、かつ断熱材も少なく済むためコスパ良く高断熱な家を作ることができます。

外皮面積を少なくした上で、壁の断熱材を強化する必要があります。断熱材、方法も種類がありますが、アイデザインホームではアクアフォームという吹付の断熱材を使用しています。上の写真のように隙間なく断熱材を埋めることができるので、高い気密性が得られ、冷暖房効率を向上させます。施工後も収縮や割れが少なく、長期に渡って安定した性能を保ちます。
④基礎断熱で底冷えを防止しよう
1階の賃貸などに住まわれている方は、床が冷たいと感じた事ありませんか?これは2階以上のフロアと違い、1階は冷たい床下の外気の影響で室内の暖かい熱が奪われているからです。面積の広い床からの外気温の影響を小さくすることで、表面温度の低下を最小限にします。

床の断熱方法は大きく分けて「床断熱工法」と「基礎断熱工法」のふたつに分けられ、アイデザインホームでは断熱等級6仕様で基礎断熱工法を標準仕様としています。基礎断熱工法は、床下も室内空間として捉え、基礎から断熱をする工法です。床下の温度が室内とほぼ同一になり、冬の床の冷たさを和らげます。また、後述する気密施工が容易で気密性能を確保しやすいため、計画した断熱性能が発揮しやすいです。
2/8・9に広島県廿日市市で基礎断熱を採用した実邸の完成見学会を開催します!展示場では床断熱を採用しているため、床断熱との違いを体感できる機会です。
⑤高気密な家で断熱性能を発揮しよう
気密とは・・・家の中の隙間のこと
高価なダウンジャケットを羽織ってても穴が空いてたり、ファスナー閉めてないとダウンジャケットの防寒性は発揮できませんよね。住宅も同じです。これまでご説明したような、高断熱な住まいとなる対策をしても、隙間が多くある家だと快適な空気が逃げてしまい、計画した断熱性能が発揮できません。快適な室内環境にするには気密性は不可欠です。

気密測定の様子
高断熱はお金で買えますが、高気密はお金では買えません。気密の性能値は現場で実測しないと分かりません。アイデザインホームでは全棟気密測定を実施しており、C値と呼ばれる気密性能値が自社基準の0.5㎠/㎡(40坪の家にハガキ半分の隙間)以下をクリアすることを確認し、高気密住宅を提供します。
まとめ
推奨室温と謳われているものの、大切なのは室温ではなく体感温度であり、そのためには表面温度が重要だということが分かりましたね。
今のお住まいに暑さ寒さでご不満のある方は、解決策のひとつとしてこの表面温度の改善が挙げられます。新築としてもリフォームとしても改善できますので、お悩みの方は是非一度展示場スタッフにご相談ください。

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