ZEHって何? 必要な性能や定義 メリット・デメリットについて | アイデザインホーム
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2024年9月2日

ZEHって何?
必要な性能や定義
メリット・デメリットについて

岡山支店の高尾です。

新築住宅の購入をご検討される際に、「ZEH」という言葉を聞かれたことがある方も多いと思います。今回は、ZEH住宅に関する基礎知識や認定基準、ZEH住宅のメリットやデメリットのほか、補助金についてお伝えさせて頂きます。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ ZEHと書かれた家

ZEHの家ってどんな家?

ZEH(ゼッチ)とは、「net Zero Energy House (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称です。「エネルギーの収支をゼロにする家」という意味があり、「省エネ住宅」と呼ばれることもあります。家庭で使用するエネルギーを自給自足しながら暮らせる、ECO HOUSEということです。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ 創エネ・省エネ・高断熱を端的に表す画像
引用元:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助事業

新築住宅でZEH住宅と認められるには、具体的には以下の基準を満たす必要があります。

断熱性能等級5

断熱性能等級とは、住宅の断熱性能を表す指標で、1~7までランク分けされています。2022年3月までは“4”が最高等級でしたが、2022年4月に等級“5”が、同年10月には等級“6”と“7”が新設されました。各等級ごとにクリアしなければいけない基準値が設けられており、その中の1つに「Uα値」というものがあります。Uα値とは、建物の外皮(屋根・天井・壁・窓・床)を介して、室内の熱がどの程度外に逃げやすいかを示したもので、数値が小さいほど熱が逃げにくく、高断熱の住宅です。

アイデザインホームでは、ZEH基準を満たす「断熱性能等級5」以上が標準仕様です。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ 断熱性能等級を表す図

一次エネルギー消費量を20%以上削減

「一次エネルギー」である石油、石炭、天然ガスなど、自然から直接採取できるエネルギーが原料となり、それらを転換・加工することにより「二次エネルギー」が生み出されます。「電力」もその中の一つで、この一次エネルギーの消費量を抑えるためには、高性能な設備の導入や室内環境の質を高め、エネルギーを効率よく使える家づくりが必要です。では、なぜ一次エネルギー消費量の削減が必要なのでしょうか。

それは、地球温暖化の進行を防ぐためです。国内で使用する一次エネルギーの3割は建築分野が占めています。建物で使用する一次エネルギーは、石油、石炭、原子力などの自然エネルギーを指し、それらを使用すると二酸化炭素が発生します。温室効果ガスの7割は二酸化炭素が占めており、二酸化炭素の排出量増加に比例して地球温暖化が進んでいます。ZEH基準を満たしたエコハウスに住むことで環境問題へ貢献し、未来の地球を守っていけるのです。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ 一次エネルギーと二次エネルギーを表す図
引用元:独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構

再生可能エネルギーの導入

「再生可能エネルギー」とは、太陽光、水力、地熱など、自然界に常に存在する枯渇しないエネルギーのことです。ZEH住宅で一番イメージしやすいのは、「太陽光発電システム」の導入です。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ 太陽光パネルが乗った家のイラスト

ZEHの定義

「ZEH」は、住宅で使う一次エネルギーの年間消費量が「おおむねゼロ」の住宅ことです。実際に一次エネルギーをまったく消費していないのではなく、「断熱性能」「省エネ性能」を高めて消費量を減らしつつ、「創エネ性能」も高めて再生可能エネルギーを生み出し、それらを合わせることで、消費量が「実質ゼロ以下」になっている住宅を指します。「エネルギー消費量が実質ゼロ以下」の住宅であり、「光熱費がゼロ以下」の住宅ではない点に注意が必要です。大幅に光熱費を抑えられ、場合によっては黒字化も可能です。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ ZEHについてまとめたグラフ
引用元:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助事業

「ZEH」は、以下の3つの要素で構成されています。

高断熱

ZEHでは、室内の熱を外に伝えない、高い断熱性能が求められます。ZEH住宅では、高気密・高断熱の窓や壁、床、屋根などを導入し、冷暖房に使用するエネルギーの効率を高めます。断熱性能が高い家は、夏の暑さや冬の寒さが室内に伝わらないうえ、冷暖房の熱を外に逃がしません。冷暖房の消費エネルギーを削減できるだけでなく、室内を一定の温度に保つため、季節を問わず快適な環境で暮らすことが可能です。

省エネ

省エネとは、エネルギーを効率よく使うことですが、ZEH住宅では、高効率な給湯システム、省エネエアコン、LED照明などの設備を設置します。また、省エネ性能を実現するには、家庭内の消費電力、太陽光発電の稼働状況などを確認できる「HEMS」という管理システムの導入が進んでいます。

HEMS(ヘムス)とはHome Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の略称で、家庭内の消費エネルギーの可視化に加え、無駄な電力を節約しつつ、室内環境を快適に整えるための設備です。

創エネ

創エネとは、エネルギーの収支をゼロに近づけるために、建物自体がエネルギーを生み出すことです。住宅でエネルギーを生み出す方法として、ZEHでは太陽光発電システムの導入が必須です。発電量を多くするには、パネルの増やして面積を大きくしなければいけませんが、ZEHでは、「高断熱」+「省エネ設備」で、よりエネルギーを使わない家にすることで、太陽光パネルの搭載量を少なくすることができます。さらに蓄電池などを導入することで、よりエネルギーを効率よく使用でき、災害時でもエネルギーを確保できます。

国がZEHを推進する背景

2015年に採択された「パリ協定」で、地球温暖化の防止策が話し合われ、その後、政府が2050年までに、地球温暖化の大きな原因となっている温室効果ガスの排出をゼロにする「カーボンニュートラル宣言」をおこないました。CO2(二酸化炭素)の排出量を削減していく取り組みで、それが「ZEH」の普及や推進に繋がっています。住宅部門においては、2025年までにはすべての新築住宅で「省エネ基準の適合」が義務化され、2030年以降に新築される住宅においては、「ZEH」が義務化されます。ハウスメーカーや工務店を中心に、ZEH住宅の建設を認定する会社も上昇傾向にあります。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ 地球温暖化を表すイラスト
引用元:クールネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター

ZEH住宅のメリット

光熱費を削減できる

ZEH住宅は、高い省エネ性能と断熱性能により、冷暖房に使用する光熱費を大幅に削減できます。外気温の影響を受けにくく、高効率の空調や給湯システムを導入することで、冷暖房の効率が上がります。

1年を通して快適に過ごせる

ZEH住宅は、断熱性と気密性に優れており、室内を一定の温度に保つ効果があるため、冬は暖かく、夏は涼しい家づくりが可能です。さらに、部屋間の温度差が少なくなるため、高齢者に起こりやすいヒートショックを軽減できます。

災害時でも電力を確保できる

太陽光発電システムに蓄電池をプラスすると、生産した電力を蓄えることが可能です。災害時に停電が起きた場合でも、自家発電の電力を使用できます。

建物の資産価値が高まる

ZEH住宅は、「BELS」で高評価を得られるため、高値で売却できる可能性があります「BELS」は、“建築物省エネルギー性能表示制度”といって、省エネへの取り組みを評価する指標で、省エネ性能を星の数で表した「お家の通知表」のようなものです。「BELS」に認定された住宅は資産価値が高まるため、将来売却をお考えの方にとっては、メリットの一つと言えるでしょう。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ BELSのマーク

ZEH住宅のデメリット

初期費用がかかる

ZEH住宅は、高性能な設備を導入する分、初期費用がかかりますが、エネルギーを創り出せるため、光熱費の削減効果があり、日常生活でかかるランニングコストを抑えられます。通常の住宅であれば、電力会社から電力を購入する必要があるが、自家消費と消費電力が±0なら、電力を購入する必要がありません。電気料金が高騰している今、長期的に考えるとZEH住宅は家計に良い影響を与えるでしょう。

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メンテナンスが必要

住宅設備は消耗品である以上、経年劣化はつきものです。長く使うには定期的なメンテナンスが必要です。メーカーの無料保証期間や修理費用など、将来必要になるであろうメンテナンスコストを知っておくことも重要です。

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太陽光発電の発電量の変動

天候や日照時間によって大きく変わる発電量。曇りや雨の日は発電量は減少し、創り出せる電力量が安定しません。また、住宅の周辺に高い建物や木があり日陰ができると、日中でも発電量が低下します。

外観や間取りが制限される

ZEH住宅はさまざまな設備を設置するため、設計やデザインを工夫する必要があります。開放感のある大きな窓や高い天井、吹き抜けなどは外気温の影響を受けやすいので、断熱性能を損なわないよう、窓や壁の数を調整したり、ドアの形状を変えるなどの対策が必要です。また、太陽光パネルを載せるために屋根の角度が制限されたり、重い屋根を支えられる基礎や柱を使用し、耐震性能も低下しないようにしなければいけません。

注文住宅ならアイデザインホーム アイデザインホームのブログ 家のイラスト

ZEHに関する補助金

ZEH住宅は、建設コストが高い反面、国の補助金事業を利用することが可能です。対象となる条件として、

この2つに該当する必要があります。ただし、この補助金制度については、内容や現在申請できるものがどれなのか、分かりにくく感じている方もいるのではないでしょうか。補助金申請時、特に注意したいポイントをまとめていますので、ぜひご参考にしてみて下さい。

ZEH補助金を申請する際の注意点

スケジュールや条件などは最新の内容を確認

ZEH補助金の申請を検討する際は、スケジュールや条件などの最新情報を確認することが非常に重要です。補助金事業の内容は年度ごとに変更される可能性があり、申請期間や対象となる住宅の基準が変わることがあるためです。これらの変更点を見落とすと、申請が無効になったり、補助金を受け取れなくなったりするリスクがあります。次のような方法で最新の動向をチェックしておきましょう。

期限より前倒しで受付を終了する可能性がある

ZEH補助金の申請を検討する際は、公式に発表されている期限より前倒しで受付が終了する可能性があることを認識しておく必要があります。補助金事業は、申請が予算額に達した時点で、期限前でも受付が打ち切られるためです。期限前の受付終了を避けるためには、次のような対策が有効です。

万が一、期限前に受付が終了してしまった場合、次年度の補助金事業の情報を確認するのがおすすめです。受付が終了した補助金事業でも新たに予算が組まれていないか、別の名称の補助金事業として復活していないかを確認してみましょう。

原資(財源)が同じ補助金事業は併用できない

ZEH補助金を申請する際は、原資(財源)が同じ補助金事業を併用できない点に注意が必要です。国や地方自治体が提供する補助金事業には、それぞれ固有の目的や財源があり、二重の補助を防ぐために、併用を制限しているのです。併用可能な補助金事業を探すには、国や地方自治体のウェブサイトで情報を収集するとともに、住宅業者や工務店に相談することをおすすめします。ただし、併用する補助金事業の要件を満たすために、住宅の設計や設備に関する調整が必要になる場合もある点に注意してください。

補助金を受けるには完了報告が必要

ZEH補助金を受け取るためには、工事完了後の完了報告提出が必須です。完了報告とは、補助金事業の要件を満たす住宅が完成したことを証明するための書類で、たとえば次のような内容が含まれます。

完了報告の提出は、補助金交付の最終段階にあたるため、提出前に書類の不備がないか十分に確認が必要です。提出書類に不備があった場合、補助金の交付が遅れたり、交付そのものが取り消されたりするリスクがあります。また、完了報告の提出期限は、補助金事業ごとに異なります。一般的には、工事完了から1~2ヶ月以内に提出するよう求められています。期限を過ぎると、補助金の交付が受けられなくなる可能性があるため注意しましょう。

補助金の受け取りには数か月かかる

ZEH補助金の申請が認められ、完了報告の提出が完了しても、実際に補助金を受け取るまでには数ヶ月かかります。そのため、補助金の受け取り時期を考慮し、住宅ローンの返済や工事代金の支払いに影響が出ないように資金計画を立てることが重要です。必要に応じて、住宅ローンの返済開始時期を調整したり、工事業者と支払いスケジュールを相談したりするなど、柔軟に対応しましょう。

まとめ

今回は「ZEH」についてご紹介しました。住宅に求める条件としては、立地や広さなどを重視される方が多いと思いますが、これからは「省エネ」も非常に重要なポイントとなります。今すぐに家を建てる予定がないという方も、家づくりに関する情報収集をして、「未来の当たり前」を検討されることをオススメします。

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